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2010/7/4
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消滅時効
令和2年4月1日施行された改正民法により、消滅時効の規定も新しく変更されています。
しかし、令和2年4月1日より前に権利が生じた場合とその日以降に権利が生じた場合とでは、適用が異なります。
令和2年4月1日より前に権利が生じた場合(例:AさんがBさんに令和2年1月1日に50万円を貸した。)は旧法が適用されて改正後の新法は適用されません。
よって、以下説明することは旧法の説明と新法の説明を並列的にしています。
説明書きの箇所に旧法の説明は(旧法)、改正後の新法の説明は(新法)と記載しています。
新法では、貸金業者であろうが個人であろうが、区別なく消滅時効の完成する期間は、「権利を行使することができることを知った時から5年、権利を行使することができる時より10年」となります。 「権利を行使することができる」というのは、例えば金銭貸付で支払期日が経過したことにより、「貸金を返してください」と請求できることをいいます。 債権者が貸金業者や銀行のような会社組織であれば、権利を行使できる時を知らないはずがありませんので、5年経過によりほとんどの場合は消滅時効が完成すると考えて良いでしょう。 貸金業者から借入をし、最後に返済したとき又は最後に借入をしたとき(どちらか遅いときから)5年以上経過した場合は消滅時効が完成している(=借金の支払い義務がなくなる)可能性があります。
最後の返済又は最後の借入から5年以上経過していて、その間に「時効の完成猶予又は更新」(旧法では「時効の停止」、「中断」)となるような事実がない限り、 消滅時効が完成することになります。
「時効の完成猶予」とはある事由(事由とは物事の理由・原因、又はその事実)が発生した場合に、一定期間時効が完成せず、猶予されることです(旧法では「時効の停止」といいました)
「時効の更新」(旧法では「時効の中断」)とは、時効期間が進行中に、ある状態が生じた場合に時効期間がリセットされ、再びゼロからスタートすることになることです。(例: 消滅時効期間が5年の場合、もう3年経過していて、あと2年で消滅時効が完成するようなときに、更新があると3年が0になり、再び0時点から5年経過しないと消滅時効が完成しません)
「時効の完成猶予」の具体例は、訴訟を提起されたり、強制執行(差押)されたりすること等になります。
具体例:訴訟手続きにおいて判決が出されその後(判決が)確定(訴訟の終了)、または確定判決と同一の効力を有するもの(例:和解、調停)により権利が確定した場合、そのときから新たに時効期間が開始されます(時効の更新)
自分が債務を承認(借入のあることを認めること)することは(残額の一部を弁済したりすることも承認となります)完成猶予ではなく即時に「時効の更新」となります。
消滅時効の正確な起算点は下記を参照ください。
原則、貸付け金の請求権の消滅時効の起算点は、支払期日(正確にはその翌日)となります。
リボルビング取引の場合には、「期限の利益喪失(貸付金を一括で返済しなければならなくなること)の日」を定めている場合が多く、その期日の翌日が消滅時効の起算点となります。
※リボルビング取引とは予め締結する基本契約(包括契約)において、貸付金利、貸付限度額、返済方式等の基本事項を定めておき、それに従って、借入と 返済を繰り返す貸付形態
もし、5年以上借入も返済もしていない場合で、貸金業者から、請求されたり、訴訟を提起されたりした場合は、お気軽に当事務所にご相談ください。
消滅時効が完成している場合は、消滅時効を援用
することにより、(簡単に言うと)借金が無くなるということになります。{貸金業者が自ら有する債権(貸金を請求する権利)の権利を行使できなくなるということになります}
※ 個人間の貸借のように「商人や会社でない者が双方当事者となる貸借」の場合は民事債権となり、消滅時効期間は10年となります。(旧法 民法167条)
※ 信用金庫、信用組合、農協、漁協、商工中金、労働金庫等は会社や商人
新法では個人以外の場合は、たいてい5年で時効が完成する場合が多いでしょう。 例:個人間でお金を貸したけれど、返済期日を「借主の出世した日(課長に昇進した日)」と定めていて、貸主が借主の出世した日を知らない場合は、借主が出世した時から10年で消滅時効が完成しますが、10年経過する前に貸主が、借主の会社に電話して借主の出世(課長に昇進)を知った時は知った時から5年となります。
時効の援用とは
もし、5年以上借入も返済もしていない場合で、貸金業者から、請求されたり、
会話形式でわかりやすく解説しています。
消滅時効に関してよくある質問を列挙しています。「
消滅時効Q&A ]をご覧下さい。
「消滅時効の起算点と期間計算」をご覧下さい。
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